このページはHome商品紹介吸着式加圧浮上装置のページです。
吸着式加圧浮上装置
有機性SS分 N−Hex抽出物質が活性汚泥に与える影響
活性汚泥の前処理設備としての吸着式加圧浮上装置の役割
はじめに
有機性排水(主に食品加工関連事業所)処理設備を計画する時 特に産業排水処理を対象ににしたとき活性汚泥処理設備が省エネ 処理水の水質良化に対して最も有効な処理設備であると思われます。
排水中の有機物負荷を計算する時従来法ではBOD5成分のみを負荷条件に組み入れていた(浄化設備の設計時 生活系排水ではBOD5とSS N−Hex抽出物質の割合はほぼ一定割合であるためBOD5成分にSS分 N−Hex抽出物質一定割合を考慮した負荷を考慮すれば良い)---BOD容積負荷で設計できる。
産業排水の有機物を処理する排水処理設備を計画する時 SS分 N−Hex抽出物質が微生物活動で有機物分解する時一般的にSS分はBOD5成分の1.5〜2,5倍に N−Hex抽出物質は2.5〜3.5倍になると云われています。
(某自治体に下水道放流基準にBOD+SS×2が放流規制値として採用されています)
有機性産業排水を生物処理(活性汚泥法)する場合 前処理でSS分N−Hex抽出物質(油分)を除去する事により生物処理への負荷が軽減されます また 上記の流入原水(SS 油分除去前)の酸素要求量(CODcr BOD20)を測定する事により実有機物負荷(生物による分解可能物質の負荷)に近い数値が想定できます。
前処理設備としてSS分 N−Hex抽出物質の除去設備として省エネ 省廃棄物を考慮した吸着式加圧浮上設備が最適な設備であると思われます。
吸着式加圧浮上設備は活性汚泥汚泥処理設備より排出される余剰汚泥(有機物が生物活動により生物態に変化し処理設備内で余剰になった生物群)を利用した前処理設備であります。
余剰汚泥の吸着性能を利用した前処理設備の原理
一般に活性汚泥処理設備の運転に於いて 有機物が微生物による分解過程で好気処理ではBOD5成分の0.2〜0.4の割合で余剰汚泥が発生し産業廃棄物として埋め立てまたは焼却処分されています。
余剰汚泥は微生物の集団で排水中の有機物を吸着分解する性能を有しています。汚泥が有機物を吸着し水槽部の有機物濃度は下記の式で表します。
−dC/dt=AMt A:生物分解性(難ー生分解性) M:汚泥濃度<
吸着槽に於ける短時間の基質吸着性能を下記に示した。
吸着時間 | 特記 | |||||||||||||
経過時間 min | 0 | 10.. | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | 90 | 100 | 110 | 120 | 以降内性呼吸による体内分解 |
水槽部基質濃度mg/l 1 | 3800 | 2400 | 1600 | 1200 | 1000 | 900 | 700 | 600 | 550 | 500 | 500 | 450 | 300 | |
水槽部基質濃度mg/l 2 | 1900 | 650 | 450 | 300 | 200 | 150 | 100 | 100 | 80 | 70 | 60 | 60 | 60 |
余剰汚泥に有機物(BOD SS N−Hex)を10分間程度接触させ 汚泥に加圧水の気泡(マイクロバブル)を付着させ、さらに高分子凝集剤で堅固な凝集物にし浮上分離することにより水槽部の有機物を除去して活性汚泥の負荷現象をはかります。
有機性排水を活性汚泥で処理する場合生物分解性が問題になりますが 分解性の指標としてBOD5/CODcrの比を採用した。
BOD5/CODcrの比が0.4以下 超難分解性
0.4〜0.6 難分解性
0.6以上 生分解性
としBOD5-SS負荷を適宜採用し設計を行うようにしました。
実例 1
考察
有機性排水を活性汚泥処理するとき流入有機物の生物分解性が問題になっています。
BLSAシステムは凝集加圧浮上法に比べ実例12より生物分解性指標は実績1で0.07 実績2で0.18上昇し生分解性の排水に転化して行きたい。
有機物除去は凝集加圧浮上法に比べ、BLSAシステムはやや劣りますが、凝集剤の添加は高分子凝集剤のみでランニングコストは低下しています。またスラッジ生成は、SS成分 N−HEX抽出成分がBODに変化する前に除去している為 活性汚泥の余剰汚泥の生成が低下します。
吸着式加圧浮上装置は活性汚泥法の前処理装置として発生するスラッジ生成 ランニングコストの低下に貢献しています。
有機物(BOD成分)は15%以上SS成分は60%以上N−Hex抽出成分は80%以上除去されます為活性汚泥の負荷低減に貢献し安定した処理水を確保しています。
今回の設備は有機性排水の主成分が炭水化物でありましたが 今後タンパク質系排水処理にも採用されております事例も紹介致します。
加圧水(マイクロバブル)による
汚泥浮上分離
加圧水製造ライン(マイクロバブル発生)
全面曝気散気管配列
全面曝気の状態
フロース掻き出し
吸着汚泥
処理水
原水分析
加圧浮上装置処理水
原水流入量 | 1200 | M3/日 |
浮遊物質 | 27.0 | mg/L |
生物学的酸素要求量 | 901 | mg/L |
結果BOD換算合計 | 950 | mg/L ÷ 103 = 0.95kg・BOD |
(原水 真BOD 0.95kg・BOD) | ||
曝気槽容積 | 1400 | M3 |
沈殿槽容積 | 338 | M3 |
沈殿槽水面積 | 133.6 | M2 |
供給ブロワー用量 | 77.7 | M3/min (5台) |
原水分析結果負荷計算
-
(真BOD) (流入量)
- BOD負荷 = 0.95kg・BOD ×1200 M3/日
= 1140kg・BOD/日 × 10-3 =1.14TON/日
1日当りのBOD負荷 約 1140kg・BOD/日 - 必要汚泥量 =1140 kg・BOD/日 × 6 × 10-3
(曝気槽容積) (最低汚泥濃度)
= 6.84TON ÷ 1400 M3 × 106 = 4885ppm
現状汚泥濃度は、13300ppm 約2.7倍の汚泥濃度で管理行っています。
(現有汚泥量) (曝気槽容積)
13300ppm ÷ 106 × 1400= 18.62TON
18.62TON × 103 ÷1140 kg・BOD/日=16.3倍 - 必要空気量 = 1140kg・BOD/日 × 70 M3/BOD・kg
= .79,800M3/日 - 供給可能空気量 = 77.7 M3/日 × 1440 min = 111,888 M3/日
- 必要空気量と供給可能空気量比較
(必要空気量) (供給空気量)
79,800 M3/日 < 111,888 M3/日 - 沈殿槽滞留時間 = (36M3/日 + 60M3/日) ÷ 24 H
= 4 M3/H
66 M3 ÷ 4.0 M3/H = 16時間30分 - 沈澱槽水面積負荷 =
- 余剰汚泥発生量 =51 mg/ℓ ×36 M3/日 × 10-3
=1.836 kg/日 ×0.3×10-3×0.8 =0.0004 M3/日
(BOD負荷)
(BOD負荷) (酸化効率)5 %と考慮
(流入量) (返送量) (流入時間)
(流入BOD) (流入量)
所 見
※ 加圧浮上装置で凝集剤を添加して数値を下げた結果、酸素量は問題無く成りました。従って、運転管理は安定すると判断しています。
計量証明書表
工場原水 | 加圧浮上装置処理原水 | 放流水 | |
---|---|---|---|
BOD | 1,930 | 901 | 7 |
溶解性BOD | |||
SS | 775 | 27 | 18 |
COD Mn | |||
COD Cr | |||
N−ヘキ | 150 | <2 | 1 |
全窒素 | |||
全 燐 | |||
備考 BOD除去率 (1,930-901) ÷ 1,930 × 100 = 53.3% 前回 44.5% SS除去率 (775-27) ÷ 775 × 100 = 96.5% 前回 88.3% N-ヘキ除去率 (150-2) ÷ 150 × 100 = 98.6% 前回 96.3% |
分析の結果
加圧浮上装置を活用すれば、BOD値は53.3%削減出来て、SSは96.5%とN-ヘキは98.6%削減出来ています。負荷軽減策としては、最良対策です。今後も加圧浮上装置を最大限活用して運転管理を行って下さい。
BOD 1029 mg/ℓ SS 773 mg/ℓ が負荷軽減出来ている事に成ります。運転管理が非常に楽に成っています。余剰汚泥発生量も少なく成って来ている筈です。
廃水処理に関するご質問やご相談は、お気軽にお問い合わせください!
TEL:0285-28-0771 「ホームページを見た」とお伝えください。
お問い合せフォーム
活性汚泥の無料診断
初期診断は<無料>にて活性汚泥の健康診断を行っています。
顕微鏡観察によって、負荷の大小、空気量の過不足、毒物等妨害物質の有無、バルキング(粘性バルキング、糸状性バルキング)の兆候を見極めて、トラブルの早期解決を実現します。お気軽にお申し込みください。