活性汚泥 よくあるご質問
Q. 4連休後、沈殿槽に汚泥の浮上が続いております。
A. 長時間粘性汚泥浮上現象と云います。休日前の未処理活性汚泥フロックが、休日中に沈澱槽内汚泥が、負荷が軽く成って未処理物質を摂取し、酸素も汚泥フロック内に無く成り、窒素分が処理されて、窒素ガスが発生し、汚泥と一緒に浮上して来る為です。従って、休日前は未処理の為、汚泥浮上が起きない。中途半端に処理されて来ると汚泥浮上現象が起きます。裏を返せば、活性が良く成りますと、汚泥浮上が起きると判断出来ます。完全に処理された活性汚泥フロックであれば、浮上は起きません。
Q. 連休中は殆ど負荷が有りませんでした、通常1000t/日 BOD1000ppm が500t/日 500ppm 流入量46t/H 返送70t/H
A. 休日中の曝気運転状態はわかりませんが、休日期間中もフル曝気を掛けて、返送量を35〜40t/Hにして運転を行えば、休日明けに問題は起きません。休日前の活性汚泥フロック状態を把握して、休日期間中の運転管理を判断する事が重要です。
Q. 対策として沈殿槽を空にして撹拌?
A. 結論は、沈殿槽に浮上する汚泥が無くなれば、汚泥は浮いて来ません。空に出来る余裕があれば良いが、通常運転中は空に出来ない事が多い為、曝気槽の曝気を停止して、沈澱槽に水のみ流入させて、時間を掛けて曝気槽に返送汚泥を戻して、返送計量槽が水に成る迄曝気を停止(24時間でも場合によっては問題なし)し対処する事が、汚泥浮上解決策です。曝気槽を停止する為、曝気槽で汚泥を浮上させてしまえば、再度沈澱槽で浮上は防止出来ます。一石二鳥の対策です。
Q. 対策として、曝気を強くする。
A. 通常フル曝気で運転している事が、運転管理最良ですが、酸素供給量を調整して管理している場合は、汚泥浮上の要因になります。従って、汚泥浮上が発生した場合は、還元剤を投与しない限り、酸素量の調整では解決出来ません。
Q. 粘性が高く成ると、「長時間粘性汚泥浮上現象」成り易い現象ですか?
A. 粘性に成る最大の要因は、酸欠か?過負荷です。微生物が有機物と酸素を摂取して、代謝する事がスムーズに代謝出来ていれば、未処理物質(高粘性多糖類)を生成しません。バランスが崩れている為、異常代謝して粘性物質を生成します。此の活性汚泥(微生物)が沈澱槽に流入し長時間滞留し、此の間、腐敗して硝酸菌を生成し、沈澱槽で酸素を消費して、窒素ガスや炭酸ガスの発生に繋がり、此のガスが汚泥内に蓄積されて、浮上して来る現象です。未処理粘性と云います。従いまして、粘性に成らない様な、運転管理が出来るかが、重要な要素です。
Q. 酸欠状態という事ですが、対応策としてDO(現在1.5)を2〜3位迄上げればいいのでしょうか?それとも、散気具の効率が悪い為、ブロワー台数を増やしても無駄なのでしょうか?
A. 顕微鏡観察で、活性汚泥フロックの凝集性・圧密性・纏まり具合等を総合的判断で、酸欠状態のフロックで有ると見極めています。
数値的には、PH・ORP・DO等の数値を解析する事です。一概にDO値だけで判断する事は、危険な行為です。DO値が参考書には2〜3が云いとか、4〜5が云いとかまちまちです。
活性汚泥フロックが誘導期・対数増殖期・定常期・内生呼吸期に依り、酸素摂取速度も摂取量も違いが有ります。曝気槽内にDO計を入れて計測しても、溶存酸素量か?曝気空気酸素量か?判断が付きません。其の数値を当てにする事は間違いです。
Q. 将来的には全面曝気が必要との事ですが、ブロワー台数も増加させる必要が有りますか?増やすので有れば何台くらい増やせば良いのでしょうか?
A. 現在の原水負荷と処理量を、確実に把握した上での酸素供給量を基軸とし、計画を立てる事が必要です。
加圧浮上装置を設置しているようですが、加圧浮上装置処理水の分析が最優先順位です。BOD20・SS・CODMn・CODCr・N−ヘキ・T−N・T−Pの数値が必要です。原水基質が分解しやすいか?難分解性物質か?(食品工場は時にCODCr)を判断する。
御社の廃水処理施設を見ていませんので、軽々には言えませんが、ただ単に酸素量を多くしても問題が解決するとは言えません。
散気方法の判断、配管径、水深、等のバランスを見る必要が有ります。
Q. 弊社では加圧浮上装置を設置しておりますが、負荷を少し高くすると第3曝気槽の表面4隅に常に泡が浮いていい状態になります。
A. 通常は有り得ません。負荷を高くして良く成る事は、錯覚です。泡の正体は粘性(高分子多糖類)物質で、微生物が異常代謝して生成する物質です。負荷に対し汚泥量が不足している事も不安定要因に成っています。活性汚泥フロックの本質を把握して運転管理が出来ておりません。
Q. 注入水の負荷は添付資料の通りで数字上は高負荷とはおもえません。
A. 糸状細菌・ズーグレア・粘性の寒天の活性条件は酸欠です。負荷に見合う酸素量が通常供給されていれば、発生しません。何等かの負荷が高い事が、自然の摂理です。報告書に返答致しました、少なくとも曝気槽内のデットドーンからの負荷が有る事は間違い有りません。当社は、色々な処理設備に関わって来ましたが、間違いなく曝気槽内からの問題が有ります。
Q. 曝気槽が何槽かに分かれておらず1槽のため高負荷の注入水がショートカットして流れるためでしょうか。それとも高負荷以外の原因の可能性があるのでしょうか。
A. 可能性としては有り得ますが、2800m³有りますので、曝気槽滞留時間を鑑みると、別の要因と見ています。
Q. 曝気槽容量計算書の中で、曝気槽で保持する活性汚泥量=1日のBOD負荷量×6 とされているように見受けられますが、この6という数字は経験上のものでしょうか?
A. 経験値を検証して決定しています。此の数値以下で運転管理している設備は、何等かのトラブルが有ります。
Q. 回答4に記載された、糸状菌が発生する条件である、「活性汚泥が異常代謝が発生し」とある、異常代謝とは具体的にどの様な状態でしょうか?
A. 活性汚泥フロックが収縮したり、粘性物質を生成したり、フロック分散等する事です。
Q. 現在、ステップエアレーションを採用しています。そこで、原水一括流入の標準活性汚泥法と比較して曝気不足対応という点で差はあるか、知見はありますでしょうか?標準活性汚泥法の方がよければ変更しようかと思います。
A. 原水負荷が高く、難分解性物質が多い所とか、汚泥量が少ない所は、ステップエアレーションは効果的です。沈殿槽前曝気槽から還流ポンプを設置して原水流入箇所へ還流する事も効果が有ります。
Q. また、過負荷・曝気不足ということで、排水負荷自体をすぐに減らすことは難しいですが、現在、濃い曝気槽流入排水を2倍程度に希釈して投入しているので、まずは、この希釈をやめようかと検討しています。その場合、汚泥負荷は減らないですが、水量負荷は減り、汚泥濃度が高くなる見込みです。
この場合、汚泥濃度が高くなり、曝気される時間が増えるので、過負荷・曝気不足対策になると期待しています。(考え方がおかしければ指摘いただけたら幸いです。)
また、原水水質分析・解析に関しては、次回排水分析依頼時にあわせてお願いしようかと思います。
A. 流速が早く曝気槽滞留時間が長く取れる事は、メリットです。
負荷が高くとも汚泥濃度(BODを処理する細菌量)がければ、処理能力は上がります。1000人で処理する事と10000人で処理する差が有ります。酸素量は曝気槽に吹き込んでいる酸素は余っている状態です。余っている酸素を摂取する為、汚泥濃度を高めても酸素量は不足にはなりません。
Q. MLSS高める方向で操業して、現在7000 r/l 迄になりました。MLSSを高めて行く過程で、スカムの発生が多く成って来たので、MLSSの影響ではないかと考えています。
A. 長時間粘性汚泥浮上現象で、要因は未処理粘性フロックが沈殿槽で、沈殿槽内の酸素を摂取し、酸素が無くなり窒素ガスがフロック内に充満し窒素ガスと一緒に浮上する為です。脱窒とは現象は似ていますが、別な反応メカニズムです。対策は曝気槽の曝気を4時間停止する事です。4時間以上は別な要因を誘発する為、危険です。
Q. MLSSが高く成ると、曝気槽内の液は粘度が高く成り、回流が悪くなる。その結果、釧路工場の様な表面曝気では、表面の液中には酸素は多いが、その他は酸素不足となっており、粘性バルキングに成っていると考えています。此の様な現象は起こり得るのでしょうか?上記現象を回避する為に、MLSSを下げる方向で考えていますが、間違った方向性ではないでしょうか?
A. MLSSと粘性の関係は12000ppm以上濃度が有り、負荷に対し明らかに酸素量が不足している場合は、上記の理屈が成立しますが、貴工場の場合は7000ppmの濃度では、あり得ません。その他の要因が有るます。曝気槽内から負荷(腐敗汚泥)が関係していると推測出来ます。対策は散気効率を上げて、デットゾーンを造らない事です。
微細酸素を曝気槽に溶融すれば確実に改善出来ますが、現状設備改善は不可能ですので、デットゾーン対策が有効と思います。
Q. 沈殿槽汚泥浮上について
原水と返送汚泥の割合をご指示のように1:0.8とすると、沈殿槽四隅からの汚泥浮上が多くなります。割合を1:1とすると浮上する割合が見た目に減少いたします。浮上した汚泥を叩けば何れ汚泥は沈降しますが、叩いた時の白濁で放流水に濁りを生ずるためあまり多くを叩くことが出来ません。ですので、ある程度浮上を抑えるため割合を1:1に固定しております。どうしても1:0.8に固定するのであれば、原水流入量を増やすほか無いように思えるのですが。割合1:1の固定でも構いませんか?
現状:原水流入量 約21m3/h → 返送 20m3/h O・K
A. 1:1でも結構ですが、基本的に曝気槽滞留時間を確保する為に、返送量は抑えて管理する方が基本です。汚泥浮上が起きる要因は未処理粘性フロックが沈殿槽に滞留する為です。発生要因の基を正す事を理解して、管理して下さい。
Q. 透視度の改善時期
透視度がなかなか改善いたしません(よくて25p程度)。水質基準には問題は無いのですが、理想はやはりそれ以上を求めます。頂いた汚泥診断の中にしばらく経過を確認し改善されなければ(トラブル時とも併記されていました)、何らかの対処が必要とありましたが、目途としてどの位の期間(透視度目安)をみればよいのでしょうか?
A. 汚泥濃度が上がれば、必然的に透視度は30度以上に成ります。活性汚泥フロック比率を7:3以上で管理出来れば、問題ない処理水が得られます。対策として粘性フロックを改質する事ですが、経済的に対策費用が掛かります。費用対効果を考えれば、現状の侭、管理し汚泥濃度自然増加を待つ事が最良対策と診ています。飽く迄も御社の判断です。
Q. 汚泥排出
これはゼロになるということではないですよね?何れは引抜を行う時期が来るかと思いますが、それは連続的ではなく、単発的に行うようになり、以前の管理方法からすると格段に排出量が削減できるということで宜しいでしょうか?
A. 有機物が処理されれば、汚泥に転換して来る量が少なる為、余剰汚泥排出量は軽減出来ます。
Q. 他工場流用
本社は味噌・醤油をその他生産しております。A工場は、B工場とほぼ変わらないような加工品を製造しております。ですが、排水処理はどの工場も同じ活性汚泥法です。各々設備能力等違いはありますが、活性汚泥を用いる観点からすれば、同じ思考を持った管理が出来るということでしょうか?(原水と返送汚泥の混合割合、原水・酸素・活性汚泥があれば基本的に薬品の投与は要らない)
A. 前処理装置及び曝気槽・沈殿槽で化学薬品等を使う事はナンセンスです。絶対的方針は曝気槽には酸素と原水しか入れない事が基本です。薬品で対策をする時は、活性汚泥に問題が有る時のみです。
Q. 活性汚泥増加について
有機物(原水)があれば活性汚泥はその負荷に見合う分だけ増加してくと思うのですが、ある一定レベルに達すると活性汚泥に対する有機物の量が(仮に原水負荷が一定として)不足となって、自己硝化(内生呼吸?)が始まり、MLSS増加が止まるのでしょうか?それとも、良質な活性汚泥が増えることでそれを食する後生動物も増加し、結果的にMLSSの増加が止むのでしょうか?それとも何れの考えも間違っていますか?
A. 負荷に対し30倍以上の汚泥量を持てば、余剰汚泥の発生量が激減します。汚泥濃度10000ppm以上の成れば。原生動物の発生は激減して殆ど確認出来なくなります。従って、原生動物では指標に成らないとコメントしています。
Q. 粘性菌を改善する薬剤を使用した場合のコスト(想定注入濃度と単価)はどの程度でしょうか? また、投入期間は一般的にどの程度になるのでしょうか?
A. 曝気槽700m3に対し1000ppmの投入量が必要です。投入期間は5日間で、700×1×900円/s=630,000円
Q. 汚泥状態が正常になったら曝気量は減るのでしょうか?
(曝気量増加による電力増加を気にする人が多いため)
A. 活性汚泥フロック比率が7:3以上に成れば、酸素供給量は減量出来ますが、酸化効率(散気・曝気)の悪い設備の場合は、大気中に散気している(無駄)事を改善すれば、電気使用量は確実に減量出来ます。経済効率を考慮する事は、無駄を無くす事が基本です。
Q. 以前の診断時より風量は増やしており、その時より糸状菌は減っているかと思います。負荷にそこまで変動がないので、糸状菌の減少は曝気増加が理由と考えて問題ないでしょうか?
A. 活性汚泥の酸素摂取量が増加した為、フロックが粘性物質を生成せず,活性を持っている為、糸状細菌が摂取する酸素や栄養が希薄に成っている為です。
Q. 現場から、曝気槽温度が低下したら糸状菌が減ったという意見が出ています。この理由として、個人的には温度低下による溶存効率増加だと考えていますが、温度と糸状菌との関連に関して何かご存知でしょうか?
A. 活性汚泥は水温により影響を受けます。従いまして、糸状細菌も条件的に影響受けます。基本は活性汚泥に異常代謝が発生し、長時間続く様ですと、糸状細菌の発生条件に成ります。活性汚泥が活性を持ち回復すると、糸状細菌は自然に減少衰退して行きます。糸状細菌は異常発生しない様な、運転管理を続ければ、気に掛ける必要は有りません。コントロールし難いのは、活性汚泥フロックです。
Q. 活性汚泥の管理項目にDOとMLSSがあると思いますが、固定床の場合と標準活性汚泥では、MLSSの数値管理に違いが有りますか?
A. 汚泥濃度は原水負荷により決定されます。3000ppm〜5000ppmが一般的という定義は、産業排水では適用出来ません。DO値管理も同様に数値化は出来ません。活性汚泥の酸素が不足か満たしているかは、顕微鏡観察が唯一且つ絶対の方法です。
Q. 例えば、固定床の場合付着微生物相による浄化なので、標準活性汚泥の浮遊MLSSに比べ、殆ど無視出来る程度か?それとも同様に一般的な 3000ppm〜5000ppm必要ですか?
A. 微生物相は違いが有りますが、汚泥濃度は変化は必要有りません。あくまでも、負荷に対しどれだけの微生物が必要かに成ります。
Q. 固定床の場合のMLSS管理とは存在するならどういうものかを先ず知りたいと思っています。
A. 固定床を抱えて汚泥濃度管理すると、考えている事が基本的管理技術を確立されていない事が問題です。固定床は活性汚泥が担体に付着する事を利用して設置された設備ですが、メリットですが、付着した汚泥が剥離した時のデメリットを考慮せず設置しています。従って、トラブルが起こり、運転管理の制御技術が解らず困っている御客さんが沢山おります。当社は固定床設置設備改善を行い商売に繋がっています。微生物管理を優先的に考慮し運転管理をする事が安定した運転管理に繋がります。
Q. 酸欠時特有の虫の名称は?
A. 酸欠で粘性に成る事を研究している学者も居ません、文献も数える位です。従いまして粘性時にどの虫が発生するかは、発表されておりません。当グループで確立したデーターです。ミコバク・プロイコモナス・ミクログラミヤ等です。
Q. 如何すればMLSSを上げられますか?
A. 余剰汚泥の引き抜きを停止する事。
ベスト−Gの投与 (汚泥量がBOD1に対し4倍以下の時投与)
Q. MLSSが下がるのは負荷が軽いからではないですか?
A. 軽負荷だけでは、汚泥量は減量致しません。1年間空曝気しても減量しない事を実験して結果を得ています。
弱粘性の寒天が処理水中に溶出し、処理水として流出してMLSSが下がる。放流水分析で基準値にひっか掛からないBOD・SS等の状態で出て行きます。此れを人為的に操作可能であれば、余剰汚泥の発生がゼロに成り、画期的技術として容認される事でしょう。
でも今の所解明されておりません。解明したい技術です。
Q. ベスト−Gを入れるとMLSSが上がるのはなぜですか?
A. ベスト−Gは汚泥フロックの細胞分裂速度を促進させる薬品です。
活性汚泥の活性剤の為
Q. ベスト−Gをどれ位入れれば、どれだけ上がるのですか?
A. ベスト−Gを1000ppm投与で600〜700ppmは上がります。
但し100ppm投与では60〜70ppm上がるかは断言出来ません。
(分析測定誤差範囲に入る為)
Q. 負荷が軽いからMLSSが上がらないのですか?
A. 負荷の25%が余剰汚泥の発生量と一般に云われていますが、上がらないのは、粘性物質(寒天)として流出している為です。
フロック比率7:3以上のフロックに成れば確実に上がります。
Q. UASBを通さない時はMLSSが上がっていましたが、
A. 負荷に対し汚泥量が6倍〜30倍での運転管理が理想です。6倍は最低条件です。此れ以下BOD負荷1:汚泥量15以内ならば、汚泥 は増加します。
Q. 曝気槽約400M3増設した場合、余剰汚泥の発生も容積が増えた分増えるのでしょうか?
A. 曝気槽増設後は処理能力が上がり、余剰汚泥発生量が減少します。従いまして、汚泥脱水量も減少します。
Q. 廃水能力向上効果を得る為に、薬品を投入したのですが、今ひとつ効果が出ていません。微生物的には良く成って来ていると云う事ですが、廃水能力の変化は、然程有りません。此処で、更に、薬品を入れれば廃水能力が上がるのでしょうか?膜の負荷が減るのでしょうか?其れとも、薬品を入れても廃水能力は上がらないのでしょうか?膜負荷は減らないのでしょうか?現状を維持するのが精いっぱいでしょうか?そこで、今回の薬品は何の為に入れるのかを確認したいところです。
A. 廃水能力が上がっていない事で、薬品投与効果が無いと判断していますが、一気に能力低下していくのであれば、効果が無い事と言えますが、維持出来ているか、曝気槽内で蓄積していた(固定床)粘性物質が溶解して来ている可能性が有ります。此の粘性物質がどの位の量が有るか推定出来ません。従って、何時迄に良くなるかは未定ですが、何度も説明している通り、膜処理している以上粘性物質を発生させない、発生してしまったならば粘性物質を取る(溶解)迄徹底して行なう事が最優先対策です。粘性が無くなれば、処理の能力は上がり、膜への負担は緩和されます。薬品投与は粘性を取る為の、最良の対策です。
ベスト−Nと尿素同時投与は、経済的負担を少しでも軽減する為です。尿素の効果はベスト−Nを補う為の物です。
今回投与も、あくまでも粘性を取る為です。
Q. 現在社内でも廃水について勉強しておりますが、原水槽のPHが低いのは原水槽内で原水が腐敗しているのではないかと思っています。原水槽の中の水は、奥の方が停滞しています。原水槽への流入部と曝気槽への送り出し部分も近いです。原水のPHが下がってしまうのは、原水が腐敗している事が原因だとしたら、曝気槽の微生物への影響は有るのでしょうか?
A. 食品工場の原水はPH 3.0〜12.0の範囲であれば、活性汚泥は許容範囲で問題有りませんとお話しました。有機物が腐敗する時間は空気が遮断さて数十時間立てば腐敗しますが、現状の原水槽では原水調整槽で水位が上下している為、奥の槽からも原水は動いています。原水槽の影響は今の段階では問題に成る事はありません。
其の事よりも、大きな着眼点を持って現状の打開策を検討して下さい。
Q. 何か月(場合によっては何年も)余剰汚泥を引き抜かなくなると、無機物が系外から出ず、結果的に活性汚泥中の VSS/SSは下がらないのか?下がらないのであれば、その根拠は何でしょうか?
A. VSS/SSは下がります。別紙参照 此の数値を堤出する事は、本来は、我々グループが蓄積したノウハウです。この様な研究分析を行っ ていない所が現実です。裏付けを得る為の数値です。。
Q. 余剰汚泥を引き抜かないとSRTは増加し続け、硝酸菌の増加によるトラブルは発生しないのでしょうか?
A. 脱窒スカムは発生しやすく成りますが、此れは、トラブルとは云えない現象です。幾つかの簡単な解決策を引き出しの中に持っています。
Q. 弊社の他工場は活性汚泥中のNH4やNO3の濃度を測定し、過曝気か曝気不足か判断する指標としています。私が栃木工場にいた時、ある会社の方はNO3―が検出(5r/l以上)出る様であれば、曝気し過ぎということをおっしゃっていましたが、NO3はどれだけ高く成っても良いのでしょうか?(ちなみに、BOD:Nは2:1位なので、N不足に成る事のない廃水です。
A. NO3が5ppm何か問題が出るでしょうか?NH4や有機体窒素をNO3まで完全酸化した方が、環境に良いと思います。全てのNをNO3→N2
↑が望ましいと思いますが、現実設備的に過酸化迄処理出来る設備は数少ないです。
Q. 曝気強度が強く成ってフロックが壊れてしまう、という事は無いのでしょうか?
A. あり得ません。散気方法や実機テストを経験した結果、過酸化以外フロックは解体致しません。機械的撹拌では活性汚泥フロックはせん断しません。
Q. 適正曝気管理をすれば、増え過ぎた嫌気汚泥(グラニュール)や酵母などの、SS分の非常に高い(数%程度)の有機物廃水も曝気槽で分解させる事は可能だと考えていいのでしょうか?
A. SSの溶解性と曝気槽容積の問題です。容積が負荷に対し大きければ可能です。負荷に対し係数が有ります。
Q. 適正PHの話をされていましたが、此れは、原水のPHに依存しないと考えていいのでしょうか?
A. 原水のPHは活性汚泥には問題ありません。PH3.0〜PH12.0の原水は調整は必要有りません。
Q. 汚泥診断の汚泥濃度測定に「濾過指数」と云う数値ですが通常どの位の数値が良いとされているのでしょうか?
A. 濾過指数について、汚泥濃度と吸引圧力の指数を表した数値です。数多くの分析結果から、250ポイント以下から150ポイントまでが理想として概念を持っています。
此の数値が、下がれば吸引圧も低下していると判断出来ます。
Q. 沈殿槽にスカムが浮きます。尿素は様子を見ながら(曝気槽、沈殿槽の汚泥濃度差が小さい時など入れていますが、尿素は連続投与すれば(10〜20日など)その後数か月入れなくてもよくなるものですか?
A. 活性汚泥フロックに、未処理粘性フロックが無く成れば、数か月どころか確実に浮上しません。フロック比率7:3以上を維持出来れば安定した運転管理に繋がります。適正汚泥濃度と頑強なフロックを作れば間違いなく活性汚泥をコントロール管理出来ます。
Q. 数回/月は、継続して入れるべきですか?(現状は3〜4日入れて良くなっても、数日で戻ってしまう感じです)
A. 汚泥浮上が無く成るまで投与を行う、中途半端はダラダラと浮上します。尿素を投与しながら、別紙写真の様に行うと、比較的早く解決致します。
Q. 散気装置3分割、2式とありますが、3式ではないのですか?
A. 図面をご覧戴き、中央配管製作・据え付けは2式の部分に入れて見積もりしています。
Q. バキューム車、汚泥処理が別見積もりなのは、量が不明だからですか?不要の場合も有るのでしょうか?
A. 今迄の経験から、曝気槽内のヘドロは確実に有ります。従って、バキューム車手配は必要に成ります。ヘドロ量が量的に不明な為、概算見積もりに成ります。従って、見積書の中に記載して、後に精算する事を、ご理解戴ければ、記載して置きます。曝気槽容積の1割から1.5割位ヘドロが発生しています。ヘドロ処理単価は、35円/s位です。
Q. 沈殿槽スカムは柔らかく流動性がある浮遊物になっている
A. 尿素の投与を行っていけば、固いスカムから柔らかく成り、徐々に浮上しなくなります。
Q. 越流水は濁っており、細かい泡が表面を覆っている。
A. 浮上汚泥が処理水に混入している為です。出来る限り浮上している汚泥(スカム)を叩き落として水面を綺麗にする事で、濁りは無く成ります。
Q. 越流水の落ち口に細かな泡が発生し、泡が隆起している
A. 上記作業を行えば、解決します。浮上汚泥を無くす為には、前回添付した方法を実行する事を勧めます。
Q. 現在のような負荷が大きい状態での処理装置の運転では、条件を問わず(ph、SV有無)に当面毎日尿素1袋(20kg)を続けたほうがよいと思いますが、如何でしょうか
A. 確実に粘性の泡が発生し無く成る迄、投与続ける事をお勧め致します。消泡剤添加せず泡の発生が止まる迄と処理水の透視度が良く成る迄が続ける目安です。
Q. 過度の尿素投入の弊害は何でしょうか。
A. 弊害は有りません。経済的負担の問題のみです。活性汚泥フロックが完全に良く成る迄続けて行けば、沈澱槽の汚泥浮上も無く成り、汚泥濃度も上がり安定します。
Q. 工場におきましても調整槽を曝気してますが、その効果はあるのでしょうか?あるのでしたらどのような効果を得られるのでしょうか。中国でも排水処理設備は能力一杯に動いております、もし原水槽を曝気することで効果があれば試してみたいと考えております。
A. 加圧浮上装置が設置してある工場は、原紙中のSSを吸着・凝集 効果で、問題に成りませんが、曝気する目的は、2つ有ります。一は原水の均一化と、底部に有機物の滞留を防ぐ為です。然し、加圧浮上装置が無い所は、曝気する事に依り、原水負荷が高く成ります。原水中のSSが曝気槽に流入する事で、BODに転換して、負荷に成ります。曝気を行わなければ、原水調整槽底部にSSが滞留して、負荷の軽減に繋がります。従って、一概に曝気をするとか、曝気を停止するかは、ケースバイケースです。判断は専門家に委ねる事です。
Q. こちらでは尿素を使用したことが無いと思われますが、尿素投入に依るよる効果を現地の管理者に説明したいので宜しくお願いします。
A. 活性汚泥が、条件に依り呼吸活性が低下した時に、生成する粘性物質(アラビノース・マンノース等の高分子多糖類)を除去する目的で使用していますが、御社に提供している尿素の投与方法も、医者の処方箋と同じで、当社H・Pに掲載している、ベストーNが、オリジナル商品ですが、ノウハウを提供して出来る限り安価に使用出来る様にしています。
粘性フロックに成った場合は、汚泥の沈降性が悪く成り、曝気槽で泡が発生して、沈殿槽で汚泥界面が上昇して汚泥の流失に繋がります。粘性時に対策を逸しますと、糸状細菌の発生が起こり、最悪手遅れに成ります。粘性は人間で云う、風邪の初期状況です。
Q. 汚泥濃度が濃すぎると、酸素が供給されにくい状態になるのでしょうか。
A. 適正汚泥濃度を超えると、酸素摂取量が少なく成り、呼吸活性が悪く成ります。
Q. 散気管の効率良く成った分。ブロワー3台運転をしていましましたが、現状は1台運転しているようです、DO値も8位有る様です。高いとの認識で、1台のブロワーにインバーターを付けてエアー量を下げ様としています。ブロワーを弱めて散気管が詰まるなど影響は有りますか?
A. DO値で判断する事は危険です。粘性に成った場合は、高い値が出ます。従って、本来は酸素を必要としているのに、酸素を少なくしてしまう、逆の対応を行う事に繋がります。あくまでもPHで管理する事が間違いは有りません。PHが高ければ、未処理で低い場合は過酸化ですが、過酸化は通常は有り得ません。PHが低い場合も問題が有る場合が多い。PH7.2〜7.5の範囲で管理出来ていれば、問題は有りません。
散気管の目詰まりの件ですが、酸素量を少なくしても、圧力に変化は有りませんので詰まる影響は有りません。
Q. 排水が入りだすタイミングでの浮上は何故起こるのでしょうか?
A. 休日運転では、返送のみで沈澱槽への移送量が、約25m3/Hですが、原水流入量が、急激にプラスされて、約75m3/Hの量が沈殿槽に移送される為、沈殿槽内の活性汚泥が動かされて、微妙なバランスで、沈降していた、汚泥がガスが抜けると同時に浮上して来ます。浮上し易い汚泥と凝集性・圧密性の強い汚泥量(良好汚泥フロック)のバランスで均衡を取っています。汚泥浮上=未処理を理解して管理して下さい。
Q. 日曜日に曝気していることで汚泥が膨化しているようなことは無いのでしょうか?
A. 汚泥フロックが膨化する事は、未処理で圧密性や凝集性が悪いフロックに成っている場合です。従って、空曝気する事で未処理や圧密性・凝集性を改善する事は有っても、膨化したフロックが沈澱槽に流入(混在)している事は、別の要因(起因)と判断出来ます。
Q. 第2曝気槽の前半1/2と後半部全面が泡で覆われています。この泡は週初より日を追って嵩を増してきております。第2の後半は以前の散気管に比べて空気送気量が多いために泡立つのでしょうか?
A. 今迄、活性汚泥フロックが抱えていた、有機物が処理されている為、フロック内やフロック周辺の粘性物質共に、泡に成っています。処理が進行していると、理解して下さい。散気具の数が多く成っている為、酸素供給量が増加している事は確実です。一個当たり吐出量が、多ければ上昇速度が速く、酸素溶解速度も速く成る為です。従って、酸化効率も違いが出ます。
Q. 泡をシャクで汲んで観察するとゴマ粒のような汚泥塊が多数残ります。未処理汚泥?ということでしょうか?
A. 活性汚泥が長期間(デットゾーンからも含め)を経て無機化された塊です。泡と絡んで浮いている物です。悪戯はしません。沈むか、回収出来れば回収して、系外に廃棄するかです。
Q. 曝気槽の泡はこれから減少していきますでしょうか?
A. 確実に減少します。未処理物質も、粘性物質も限りがある為、泡は発生が無く成ります。ベストーNや尿素を投与しても泡は発生しなくなります。発生する事は、未だ処理する物質が有ると理解して下さい。